■座談会 その2

― 講義の魅力

鯉住 授業とかはどんな感じやったんですか?
平井 地域研究概論や入門は必修やから学年全員、我々は300くらい。大講義室のS101かな。
櫻井 レジメをあんなにきちっと作ってくる先生はいなかった。
羽深 いない。
西村 あれね、当時画期的だったのは一番上にニフティのメールアドレスが書いてあったこと。なんか文句があったら書いてこい、っていうことのメッセージなんですよ。今はインターネット、Eメールが当たり前になってるけど、先駆的にされていた。
鯉住 授業で、漫談というかわき道それるのは多かったですか?
一同 ・・・・・。
羽深 何分かに一回は笑いを取らなきゃいけないって計算していた。
村上 決めてんの? ほんまに?
櫻井 確か15分に一回。人が集中できる時間がだいたい15分なんだって、テレビのコマーシャルもそう。
鯉住 阪大の時の話をいろいろ書いてはるんですよ。たとえばテストを口述でやったとか。授業する時に前の日に一人呼んで、飯を食べながら全部教えて、その人が授業するという・・・。
そんなことしてはるの聞いたことないなぁ。
櫻井 精華では私たちが講義したよ。1章は先生が講義してね、第2章から4章までの間はゼミ生が何班かに分かれてコース別にして、学生さんは自分が出たいところに出るの。講義は末石先生から習ったままでもいいし、そうじゃなくてもよくて。
村上 4年生の時?
櫻井 4年生の時。阪大でもやってなくて県大でもやってないんですか?
鯉住 それはないです。
櫻井 なんでかな・・・。
羽深 これはやっぱりあかんいうて。
平井 次の年のゼミ生が減ったのは、「あのゼミ行ったら講義をさせられる、厳しいぞ」っていう評判が立ったからや言うてはった。
羽深 厳しいとは聞いていたけど。
櫻井 でも面白かったよね、講義するの。いい経験だったわぁ。
西村 面白かった。
平井 俺一コマやって、声がらがらになったもん。
櫻井 喋ろう思ったら自分でちゃんと調べないと喋れないしね。
鯉住 (末石先生曰く)「7倍は準備せなあかん。」
鯉住 テストはどんなんやったんですか?
櫻井 あ、テスト持ってきた。こんなテスト初めてでね、捨てられなくて持ってねん。
これ、何をするのか理解せな。
櫻井 そんなテストは初めて。なんていうのかな、記憶じゃないのよね、物事を組み立てる力を求められているテストなんですよ。
鯉住 県大の最後の頃には、グループを組んでやれいうのがありましたね。
羽深 え? グループで?
鯉住 その場で即席で4人組んで、相談して一つやれって。
櫻井 どんな問題?
鯉住 「自分がもしこの科目を一般教養科目として講義するならば、どのような配列で章立てをするか。自分が大事だと思うことを一つ加えなさい。」
テスト終わったら必ずA4一枚くらいの講評を書かはるんですよ。こんな答えがあったがこうだこうだって。いつもテスト終わった後に、全員の誤字をずら〜と並べて「ひどすぎる。今回はとくにひどかった」と。学内に自動掲示装置があるんですけど、そこに。
櫻井 厳しいんだけど、なんとなく四角張って感じないのはなんでだろうね。
西村 ユーモアがありますよね。
村上 「けっきょく関西人よね」という話を友達としたことがあります。講義でも最後にオチをつけるところとかが。


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